アーユルヴェーダとは?
アーユルヴェーダとは、インドやスリランカで何世紀にもわたって実践・体系化されてきた伝統医学です。この学問の大きな特徴は、『予防医学である』ということです。
アーユルヴェーダでは病気が発症する前の段階から様々に状態の理解を試み、働きかける術を提示し、日々の生活の中で病気にならないための体作りを行うことも含めて『医学』として浸透しています。漢方のように体の内側から変化を呼び起こそうとするアプローチはよく似ていますが、「冷え性である」とか「風邪をひきやすい」とか、漢方では西洋医学同様にこのような既に発症している症状に対してアプローチをしていくことを考えると、やはり『予防医学である』というのはアーユルヴェーダの大きな特徴だと思います。
3つの体質 ドーシャ
アーユルヴェーダでは、人それぞれの体質を形作るものとして、3つの生命エネルギー「ドーシャ」をその基礎としています。
3つのドーシャは「ピッタ(PITTA)」「ヴァータ(VATA)」「カパ(KAPHA)」と呼ばれ、身体的な特徴や感情の傾向など、その人を構成するあらゆるものを形作ります。難しい話のようですが、すべての人がこの3つのドーシャを持っていて、それをどんなバランスで持っているかで各自の違いが生まれているということです。
以下に、3つのドーシャの説明を簡単にさせていただきます。ご興味のある方は読んでみてください。
世界のあらゆるものは五大元素と呼ばれる「空・風・地・水・火」でできており、3つのドーシャももちろんこの五大元素で構成されています。
「ピッタ(PITTA)」は「火」と「水」、
「ヴァータ(VATA)」は「風」と「空」、
「カパ(KAPHA)」は「地」と「水」という組み合わせでできています。
①ピッタ(PITTA)
火のエネルギーを主とするピッタは、「代謝・消化」を司ります。
ピッタが強いと消化能力が高く、食欲旺盛です。暑がりなのも大きな特徴です。不調の際は、消化力が高すぎて下痢になりやすかったり、皮膚のトラブルとして現れることが多いです。
また、情熱的で知識欲や決断力に溢れているので、リーダーシップを取るような役割が得意です。ただ、ピッタの傾向が強くなりすぎると、完璧主義になり他人に厳しくなりすぎる傾向があるので注意。
②ヴァータ(VATA)
風のエネルギーを主とするヴァータは、「運動・運搬・伝達」を司ります。つまりは神経系を司っているので、3つのドーシャでも特に乱れやすいと言われています。
ヴァータの大きな特徴は冷えと乾燥です。乾燥肌や冷え性が多いです。特に下半身の冷えや不調は目立ちやすく、生理痛が重いなどはヴァータ的な症状です。
また、風の特徴から、フットワークの軽さや発想の豊かさが目立ちます。非常に活動力があり、芸術的な側面が強いですが、行き過ぎると移り気で落ち着きがなく、個人主義に思われがちです。
③カパ(KAPHA)
水のエネルギーを主とし、「結合」を司ります。体の構造や体力・免疫力などもカパの領域です。
カパの特徴はとにかく安定です。
3つのドーシャの中でもっとも安定しており、乱れにくい体質です。体型がどっしり安定しているだけでなく、精神的にも包容力があり、寛容で愛情深い人が多いです。この安定感は、行き過ぎると変化を嫌い、怠惰を助長させてしまいます。
水の特徴から、粘膜のトラブルが出やすく、花粉症はカパの過剰によると言われています。
これらが、3つのドーシャ「ピッタ(PITTA)」「ヴァータ(VATA)」「カパ(KAPHA)」の簡単な特徴です。
自分はどの体質か、興味が沸いてきましたか?
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